流産を経験された患者さんに対する検査となります。
次世代シーケンサー（NGS）により胎児組織を解析します。

POC検査とは

ヒトの細胞には、46本の染色体(44本の常染色体と、2本の性別を決定する性染色体)が対になって入っています。この対のうち、23本は父親由来、23本は母親由来です。受精後まれに、47本や45本の染色体(異数性)となることがあり、着床に至らない、あるいは着床に至っても妊娠が継続されず流産となる場合があります。
本検査は、胎児由来の組織から全24種類の染色体の異数性を調べる検査です。
流産と診断後、胎児由来の組織を採取して検査をします。特に、これまで反復流産を経験された方や生殖補助医療を行われている方に提案しています。

POCのメリット

自然妊娠の50％は、染色体の異数性によるものです。また、生殖補助医療を受けられている方では、染色体の異数性が原因の流産が60％まで上がります。
胎児由来の組織による検査を行うことで流産の原因を特定できる場合があります。
流産の原因を特定できた場合、今後の治療の方針を決める一役となります。
従来の方法では結果が得られるのは症例の50％であるのに対して、POC検査では99％以上で検査結果が得られます。また、従来の方法よりも約2週間早く検査結果が得られます。

POC検査の方法

当院では、吸引法により絨毛成分を採取します(手術は、白子ウィメンズホスピタルで行います)。なお、自然排出の場合も検査することができます。

母体血も同時に採取し、検体への母体細胞の混入の有無を調べることができます(STR解析)。(検査結果が正常女性型であった場合は、検体に混入されたお母様からの組織を検査している可能性があるため、母体血液を分析することで検査結果が本当に胎児のものかどうかを明確にします。)