高度生殖医療
卵巣刺激および採卵
卵巣刺激および採卵
採卵とは排卵前に経腟的に卵巣から卵子を体外に取り出すことを言います。卵子は卵胞という袋につつまれた状態で、卵巣の中にあります。卵巣を刺激し卵胞を発育させた後、経腟超音波のガイド下に卵胞を穿刺して採卵を行います。
卵巣刺激には様々な方法があり、患者さん一人ひとりに適した方法で行います。
自然周期および低刺激周期法で採卵を行う場合には基本的に採卵数は1個になります。刺激周期法では注射剤により卵巣を刺激して卵胞を育て成熟させるため、複数個の卵胞が成長することが期待できます。その場合には左右両方の卵巣から複数個の卵子が採取可能になります。
卵巣刺激の方法
自然・低刺激周期法
排卵抑制を行わず自然に、もしくは内服などの低刺激の薬剤を使用する方法です。
適応 | 卵巣予備能が低い場合(高齢など)、刺激周期法が不成功な場合 |
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利点 | 肉体的、経済的負担の軽減、毎周期施行が可能です。 |
欠点 | 排卵してしまう可能性があります。 |
刺激周期法(Long法 Short法)
排卵を抑える点鼻薬を使用する方法です。
適応 | 卵巣予備能が高い場合に適応となります。 |
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利点 | 発育卵胞が多く、移植後に余剰胚を凍結可能となります。 |
欠点 | 注射量が増加する可能性、過剰刺激の可能性があります、毎周期は不可能です。 |
Long法
Short法
刺激周期法(アンタゴニスト法)
排卵を抑える注射薬を使用する方法です。
適応 | 多のう胞性卵巣、過剰刺激の既往、Long/Short法不成功例など。 |
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利点 | 注射量増加を抑えます、過剰刺激の可能性が低くなります。 |
欠点 | 毎周期は施行できません。 |
アンタゴニスト法
採卵の流れ
- 受付
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午前8:30にご来院をお願いいたします。
受付後に2階のリカバリールームへご案内いたします。
自宅採精の場合は2階の受付で採精容器をご提出ください。
- 採卵
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リカバリールームで着替えていただき、問診表確認、静脈路確保、本人確認を行います。
局所麻酔もしくは静脈麻酔下に採卵室で採卵をいたします。
採卵後にリカバリー室で医師より採卵数・注意点の説明を行います。
看護師より血圧などを確認、歩行排尿確認後に更衣をお願いいたします。院内採精の場合、採卵後(卵子確認後)に培養士がご主人を採精室へご案内いたします。
- 帰宅
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薬剤師より投薬があります。
お会計時に、卵子がとれていた場合は支払誓約書の記載をお願いいたします。
体外受精費用は次回受診時にまとめて清算をお願いいたします。