その他の検査
子宮内フローラ検査
(子宮内細菌叢検査2)
子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査2)について
子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査2)とは
子宮内フローラ検査とは、腟または子宮内に存在する 善玉菌・ラクトバチルス属菌の割合を調べる検査です。
悪玉菌
悪玉菌は、善玉菌が減ると増殖します。他の病原性細菌やウイルスに感染しやすい環境を作ってしまいます。
善玉菌
善玉菌は、人が分泌したグリコーゲンを餌として増殖します。悪玉菌など他の雑菌が増えにくい環境を作ります
検査の目的
昨今の研究で、子宮内の環境(子宮内フローラ)が乱れているかどうかが、妊娠、出産に影響があることがわかってきました。 採取した検体からその中に含まれる細菌の DNA を検査会社が専門の検査装置で分析してラクトバチルス属菌の割合を調べます。 子宮内は乳酸菌の一種である善玉菌のラクトバチルスの割合が多い状態が好ましいとされ、検査結果を元に子宮内環境の改善を目指します。 それによって着床に適した子宮内の環境を作り、妊娠率の上昇が見込まれます。
子宮内フローラとは
私たちの腸内には様々な種類の細菌が多数存在し腸内環境を整えています。 この細菌の集団を顕微鏡下で観察するとお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。 妊娠、出産にあたりとても重要な場所である、腟や子宮内にも、腸内フローラと同様に多種多様な細菌が存在するため「子宮内フローラ」と呼ばれています。 これまでは、受精卵のベッドである子宮内は無菌だと考えられていましたが、実は腟内と同様に子宮内にも細菌が存在することが発見されました。細菌にも様々な種類があり、善玉菌が減るなど、子宮内の状態が乱れてしまうと、着床、妊娠しない、また妊娠しても流産や早産の原因となる可能性があると考えられています。
検査の実際
(1)検査対象
- ・反復着床不全や反復流産をされている方
- ・様々な検査を行っても不妊の原因が見つからない方
- ・ご自身の現在の子宮内環境(子宮内フローラ)を把握したい方 にも受けていただける検査です。
(2)検査方法
綿棒またはピペット(吸引方式採取器具)を用いて腟内擦過物または 子宮内腔液を採取し、その中に含まれる細菌の DNA を検査会社が専門の検査装置で分析してラクトバチルス属菌の割合を調べます。
検査は月経7日目~24日目で行いますが、月経12,13日目が最も適しています。
(3)費用(非課税)
料金(非課税) | |
子宮内フローラ検査先進医療 | ¥60,000 |
検査の結果が出たら
結果報告書には、善玉菌であるラクトバチルスの割合が表示されます。
またラクトバチルス以外の細菌が存在していた場合、どんな細菌が、どれくらいの割合で存在しているのかが報告されます。
この結果をもとに当院の医師がラクトバチルスの割合を増やしていく治療計画(抗菌薬の使用やサプリメントの摂取、生活改善など)や、細菌性腟症に関連する細菌が検出された場合は、その治療を行うための抗菌薬の使用など、子宮内環境(子宮内フローラ)を改善するための治療計画を決めていきます。
検査における留意点
検査ができない方
- ・妊娠中
- ・子宮内感染症
- ・膣炎
- ・骨盤炎症性病
- ・凝血異常(バイアスピリン、抗凝固剤等内服中の方も含む)
- ・検査時に不正出血がある場合