その他の検査
ERPeak検査
(子宮内膜胚受容期検査2)
ERPeak検査(子宮内膜胚受容期検査2)について
ERPeak検査(子宮内膜胚受容期検査2)とは
ERPeak検査とは、体外受精サイクルの中において胚移植に最も適した時期を特定する遺伝子検査です。
検査の目的
胚が子宮に着床する可能性は、「着床の窓」と呼ばれるごく短い時期に高くなります。
着床の窓のタイミングは、ほとんどの女性で予想できますが、反復着床不全(着床しなかった経験が2 回以上)の女性の30%では着床の窓にずれ(わずかに早いか遅い)が認められることが分かっています。これが良好な胚が着床しない原因である場合もあります。
ご自分の着床の窓を知り、精度の高いタイミングで胚を移植することで、体外受精での妊娠の成立の可能性が高まります。
ERPeak検査で胚移植の時期を特定することにより、「着床の窓」にずれがある女性の妊娠率が上昇します。
子宮内膜とは
子宮内膜は子宮の内側を覆う組織です。月経周期中、子宮内膜は妊娠の可能性に備えて肥厚します。 妊娠が起きなかった場合は、子宮内膜が剥がれ、次の月経周期が始まります。 胚は肥厚した子宮内膜に着床し、発育に必要な酸素と栄養を受け取ります。 子宮内膜の状態が着床に適していない場合は、良好な胚であっても着床できない可能性があります。
子宮内膜は、「着床の窓」と呼ばれる期間に最も胚の受容性が高くなります。
体外受精を行う場合、着床の可能性があるのは通常プロゲステロン投与を開始してから5日後です。
これをP+5と呼び、通常担当医師はこの日に胚移植を予定します。
しかし、女性によっては 「着床の窓」 が P+4 や P+6 のように早くなったり遅くなったりすることがあります。
ERPeak 検査は、あなたの子宮内膜が胚の受容可能な時期かを判断するのに役立ちます。
黄体補充を開始した一定の時期に子宮内膜組織を採取して行う遺伝子解析検査によって、着床の窓の時期を特定することができます。
検査の実際
(1)検査対象
体外受精で良好な胚を移植しても、着床しなかった経験を2回以上した女性に推奨されます。
ERPeak 検査が患者さんに適切かは担当医師が判断し、検査に関して説明をします。
(2)検査方法
通常の胚移植と同じ方法で女性ホルモンを一定期間内服し、十分に子宮内膜が厚くなって準備ができた状態で黄体補充(プロゲステロン投与)を開始します。
黄体期の特定の時期に子宮内膜を細い吸引ピペットで採取し、専門の検査会社へ検体を送り検査を行います。
子宮内膜受容能に関与する複数の遺伝子を分析し、女性一人ひとりの「着床の窓」を特定します。
(3)費用(非課税)
料金(非課税) | |
ERPeak検査先進医療 | ¥102,000 |
検査の結果が出たら
担当医師がERPeak検査の結果を確認し、次回の体外受精サイクルで胚移植に最適な時期を患者さんと一緒に決定します。
黄体ホルモンの開始時期を調整することで、胚移植のタイミングを着床の窓が応答している時期に合わせることができます。
その結果、妊娠率の上昇が期待できると考えられています。
検査における留意点
子宮内膜受容期検査を実施する周期には、胚移植を実施することはできません。
検査結果は3~4週間後に出るため、その結果を踏まえて別の周期に胚移植を行います。
同時に、子宮内膜細菌叢の検査を行うことも可能です。
患者さん一人ひとりの着床の窓を特定する検査ですが、必ず着床、妊娠を保証する検査ではありません。
詳しくは診察室で医師にご相談ください。